世界の天然痘根絶は最終的に一九八0年に宣言された。
この事業は全体で三億三00万ドルかかったが、そのうち推定二億ドルはふつうなら日常的な制御プログラムに支出されていたはずのものである.天然痘ウイルスが生き残っているところは、現在.世界に二か所だけということになっている。 アトランタにあるアメリカ疾病管理予防センター(国立防疫センター)と、モスクワにあるウイルス製剤研究所の安全な冷凍室のなかである。
現在、科学者たちは、これら最後の貯蔵ウイルスが引き続き保存天然痘根絶計画の信じがたいほどの成功は、人間が死のウイルスを打ち負かすことができることを初めて示したものであり、そしてこれは感染性の病気に対する闘争の新しい時代の先触れとなるものであった.WHOは、現在ヒットリスト暗殺予定者リストをもっている。 ポリオと麻疹は絶滅への途上にあるが、一方、狂犬病やB型肝炎に対する根絶運動はまだ初期の段階にある。
話がウイルスの除去ということになると、どのウイルスも彼ら特有の防衛法をもっているのである。 保存されるべきか、あるいは破壊されるべきかについて議論をしている。
このウイルスを保存することに賛成の人たちは、それを調べることが、重要さを増しつつあるサル痘のような他のボックスウイルス感染症を理解するのに役に立つかもしれないと主張している。 また、バイオテロリズム(生物テロ)の脅威が増していることは、将来いつか新しい天然痘ワクチンを開発することが必要になるかもしれないことを意味している。
他の人たちは自然保護の論法を用い、何であれ生きている生物を計画的に破壊することは、将来に対して不幸な先例をつくることであると示唆する。 しかしながら、このウイルスの破壊を願う人たちは、どのような貯蔵をしようが天然痘は危険であり、バーミンガムの事件がまさにその好例であると主張する。
そのうえ、いくつかのボックスウイルスのDNA全体がクローン化されており、このことは感染性粒子を保存するためのいかなる理由にも抗するように思われる。 WHOでは、最後の生き残りの天然痘ウイルスが二0世紀の終わりまでに破壊されることを決定しているが、その一方で、アメリカ医学協会は別の考えをもっている。

彼らは、今後のワクチン研究のために貯蔵ウイルスが引き続き保有されるべきことを提案している。 このウイルスは土壇場で死刑執行を延期されているのである。

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